用語 | 説明 |
---|---|
アオコ | 異常増殖した植物プランクトン(主に藍藻類)が水面等に集積し、水面が青~緑色に変色する現象のことをいいます。 |
雨水浸透マス | 住宅地などに降った雨水を地面へと浸透させることのできる装置で、雨水を資源として有効活用することを目的として作られました。地下水が涵養されることで、水害の軽減、湧水の復活、地盤沈下の防止、水質の改善、地球温暖化の防止、などの効果が期待できます。 |
雨水貯留浸透施設 | 雨水を貯めて地下に浸透させ、雨水の流出抑制や地下水の涵養に役立つ施設のことをいいます。 浸透施設には浸透マス、浸透トレンチ、浸透性舗装があり、貯留施設には浄化槽転用貯留槽、雨水貯留槽(雨水タンク)があります。 |
エコファーマー | 「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(通称:持続農業法)」に基づき、都道府県知事が認定した農業者(認定農業者)の愛称です。持続農業法にもとづき導入する生産方式は、(1)土づくり技術(有機質資材施用)、(2)化学肥料低減技術および(3)化学農薬低減技術の3つで構成されています。 |
エコトーン(推移帯) | 生物の生息・生育環境が連続的に変化する場所をさします。本来、河川・湖沼の沿岸は、水深や冠水頻度等の湿潤条件が連続的に変化し、多様な生物の生息場所となっているので、エコトーンとして重要な箇所です。 |
SS(浮遊物質、懸濁物質) | 水中に浮遊する粒径2mm以下の不溶解性粒子状物質のことで、水質指標の一つです。水の濁りの原因となり、太陽光線の透過を妨げます。 |
汚濁負荷 | 家庭や工場からの排水や市街地・道路・農地等から流れ出る水質汚濁物質のことをいいます。家庭や工場等の排水の排出源を特定できる汚濁負荷を点源負荷といい、市街地や農地等の汚濁の排出点を特定できない発生源からの汚濁負荷を面源負荷といいます。 |
外来生物(外来種) | 本来その地域に生活していなかった生物で、外国から移入したものをいいます。一部の外来種は在来種よりも繁殖力が強く、在来種の生存を脅かします。 |
河川整備計画 | 河川法第16条の2に基づき、河川管理者が河川整備基本方針に基づき、今後20年から30年間の具体的な河川整備の目標及びその内容を定めたものです。印旛沼流域は、「利根川水系手賀沼・印旛沼・根木名川圏域河川整備計画」に属し、概ね30年後の整備目標に向けてとりまとめた法定計画です。(2007(平成19)年7月10日作成) |
合併処理浄化槽 | し尿と生活雑排水をあわせて処理し、放流する浄化槽のことをいいます。下水道未整備地域におけるトイレの水洗化対策として普及してきました。設置にあたっては、国や自治体による補助制度があります。 |
株分け | 植物の根や地下茎を親株から分けて移植して増やす繁殖法のことをいいます。 |
かんがい期 | 農業用水が供給され、水田耕作が行われている期間のことをいいます。 |
環境基準 | 人の健康を保護し生活環境を保全する上で、維持されることが望ましい基準のことをいい、環境保全対策を進めていくための行政上の目標となります。 |
環境基本計画 | 環境基本法(1993年制定)第15条に基づき政府が定める環境の保全に関する基本的な計画です。環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて案を作成し、閣議決定により政府の計画として定めることとされています。策定のプロセスにおいては、パブリックコメントの募集や各種団体との意見交換など、国民参加の促進を図っています。 |
環境保全型農業 | 農業は、本来自然の力を利用して食料などを生産する自然と調和した産業です。化学肥料や農薬等の開発により、安定した農業生産が行われるようになりましたが、一方では農業生産活動に伴う環境への負荷が問題となっています。農業生産を安定させながら、化学肥料、農薬の使用量を減らし、環境(水・土・空気)と調和した将来的にも持続可能な農業生産方式を「環境保全型農業」といいます。 |
乾田化 | 一年中水が溜まったままの田を湿田、水の調節が自由にできる田を乾田といいます。イネの成長にあわせて水を調節でき、機械が導入できるので作業がしやすく、収穫量が上がることから、明治時代以降、湿田から乾田に変える動きが盛んになりました。これを乾田化いいます。現在では、ほとんどが乾田です。 |
涵養 | 降雨・河川水などが地下浸透し、帯水層(地下水が蓄えられている地層)に水が供給されることをいいます。 |
クロロフィルa | クロロフィル(葉緑素)はクロロフィルa、b、c及びバクテリオクロロフィルに分類されます。 このうちクロロフィルaは、光合成細菌を除く全ての緑色植物に含まれるもので、植物プランクトン(藻類)の量を示し、富栄養化の指標として用いられます。 |
耕作放棄地 | 農地、採草放牧地、混牧林地など耕地であるにも関わらず、1年以上作物を栽培しておらず、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地を言います。 |
行動計画 | 目的・目標に向けた方法や手順を考え、集中的・計画的な取組を促進するための具体的な動きや予定を決めたものをいいます。 |
高度処理型合併処理浄化槽 | 「合併処理浄化槽」の中でも、窒素やりんを除去できるものをいいます。 |
降雨流出 | 地表に達した雨水が直接地表を流れて河川・水路に流れこむことをいいます。地表面がアスファルト等で覆われていると地下に雨水がしみ込まないため、降雨流出が多く、流出時間が早くなります。 |
工業用水 | 製造業に使用するための水のことをいいます。工業の生産過程において直接使用する他に、容器の洗浄、工場内部の清掃等に使用します。 |
湖沼水質保全計画 | 湖沼水質保全特別措置法(湖沼法)は、全国的に見て特に水質保全対策が必要な湖沼(指定湖沼)について、特別の措置を講じ、国民の健康で文化的な生活を確保することを目的として、昭和59年に制定されました。 湖沼法では、指定湖沼に対して水質保全のための各種の対策を盛り込んだ計画を、都道府県知事が5年ごとに策定することとされています。これを、「湖沼水質保全計画」といいます。 |
雑排水 | 家庭からでる生活排水のうち、し尿を除いた排水のことで、台所、洗濯、風呂等から出る排水のことをいいます。 |
里山 | 人による維持・管理がなされている、またはかつてなされていた、人家の近郊の樹林地(草地、湿地、水辺地・農地等が一体となっている場合も含む)のことをいいます。 千葉県里山条例(千葉県里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例)では、「人里近くの樹林地またはこれと草地、湿地、水辺地が一体となった土地」と、定義されています。 |
COD (化学的酸素要求量) | 水の中の有機物を化学的に分解する時に必要とする酸化剤の量を、酸素の量に換算したものをいいます。湖沼や海域の有機性汚濁の指標となります。 |
し尿処理場 | し尿の処理方法は、下水道によるもの、浄化槽によるもの、くみ取り収集によるものに大別されます。このうち、くみ取り収集したし尿および浄化槽における処理で発生する浄化槽汚泥の大部分を処理しているのが、し尿処理場です。回収されたし尿は、集中処理の後、河川・海域に放流される他、下水道へ放流される場合もあります。 なお、水質汚濁防止法(1970 年策定)に基づき、BOD、COD、窒素、りん、その他の規制基準が適用されてます。 |
斜面林 | 斜面地に立地する林のことをいいますが、特に都市部では斜面地だけが開発されずに樹林として残ることが多いので、重要視されています。 |
集水域 | ある地点に降った雨が地面を流れると想定したとき、その水が土地の高低に従って、特定の河川・湖沼に流れ込みます。流れ込む先の河川・湖沼が同一の地域のことを、その河川・湖沼の集水域(流域)といいます。 |
浚渫 | 沼底や川底の土砂をさらうことや、水質汚濁の進んだ水域の底にたまっているヘドロを除去することをいいます。 |
浄化槽法 | 浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制するとともに、浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度を整備し、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により、浄化槽によるし尿等の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする(1983 年法律43 号)法律です。 |
硝酸性窒素(NO3-N)および亜硝酸性窒素(NO2-N) | 硝酸性窒素は硝酸塩として含まれている窒素のことで、亜硝酸塩として含まれている窒素のことを亜硝酸性窒素といいます。どちらも肥料、家畜のふん尿や生活排水に含まれるアンモニウムが酸化されたもので、作物に吸収されずに土壌に溶け出し、富栄養化の原因となります。 |
捷水路 | 洪水対策として流下能力を増加させるために、河川の屈曲部を直線化した水路のことをいいます。 |
自然の浄化機能 | 河川や湖沼等が汚濁した後、時間の経過にともなって、自然に元のきれいな水にもどる現象のことをいいます。希釈・拡散・沈殿等による物理的作用、酸化・還元・凝集・吸着等の化学的作用、微生物等による吸収・分解等の生物的作用等によります。 |
上水(上水道) | 人の飲用に用いる水のことをいいます。水源としては河川・湖沼等の地表水や井戸水・泉等の地下水を用います。 |
植生浄化 | 水生植物等を利用して、水を浄化することをいいます。 |
水生植物(水草) | 水中に生育する植物の総称で、主に淡水産のものをいいます。完全に水中だけで生活するものは多くなく、その生活様式から、湿地・抽水性、浮葉性、浮遊性、沈水性に分類されます。 |
生態系 | 河川、湖沼、水田、山林等、あるまとまりを持った自然環境と、そこに生息・生育するすべての生物で構成される空間のことをいいます。 |
全窒素(T-N)・全りん(T-P) | 水中に含まれる窒素化合物、またはりん化合物の総量のことをいいます。 どちらも動植物の成長に欠かすことのできないものですが、多量の窒素・りんを含む水(家庭排水、工場排水等)が印旛沼に流れ込むと、それが栄養源となって植物プランクトンの増殖をまねきます。 |
帯水層 | 地中の透水層において、地下水が蓄えられている地層のことを指します。通常は、粘土などの不透水層(水が流れにくい地層)にはさまれた、砂や礫(れき)からなる多孔質浸透性の地層を指します。実際には、この帯水層が何層にも重なっている場合もあります。 |
多自然川づくり | 河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するために、河川管理を行うことで、すべての川づくりの基本です。 |
単独処理浄化槽 | 家庭から出る排水のうち、し尿のみを処理する浄化槽のことをいいます。台所や風呂等の排水は未処理のまま排水されます。 |
治水安全度 | 河川、湖沼、ダムにおける、水害に対する安全性を示したものです。 川に流れ込む雨水の量は、雨が降る強さや降る時間の長さなどから決まります。そのため、治水安全度は、「何年に一回の雨まで溢れずに耐えられるか」という表現を用います。これを「年超過確率」といい、年超過確率1/10 の雨(10 年に一度経験するような雨)が降っても川の水が溢れず安全に流せるときは「治水安全度は1/10」と言いい、年超過確率1/100(100 年に一度経験するような雨)まで安全に流せるときは「治水安全度は1/100」と言います。 |
調整池 | 住宅団地や工業団地等開発行為が進むと、雨水の流出を増加させてしまうことから、雨水を一時的に貯留させるために人工的に設けた池のことをいいます。主に、団地の下流端に設置されます。 |
調節池 | 台風や集中豪雨等で河川の水位が上昇したとき、下流へ流れる水量を調整するため、河川に沿って設置される池のことをいいます。 |
沈水植物 | 茎も葉も水中にある植物のことをいいます。干拓前の印旛沼の中にはインバモ、センニンモ、コウガイモ等22 種が確認されていましたが、現在の沼の中では0 種となり、栄養体としては消失しています。 |
点源負荷 | 一般家庭の生活排水や工場、事業場などからの排水、畜産排水など排出場所が特定できる汚濁源から発生する負荷のことをいいます。 |
冬期湛水 | 「田冬水」、「ふゆみずたんぼ」とも呼ばれます。稲刈りが終わり、通常は水田を乾かす冬期~春期に水を張る農法です。冬期も湿地状態が続く水田では、多様な生物が生息可能となり、イトミミズによる水田雑草の発芽抑制効果、水鳥の雑草種子採食による除草効果、糞による施肥効果、微生物の脱窒作用による水質改善などが期待されています。 |
透水性舗装 | 道路や歩道を隙間の多い素材で舗装して、舗装面上に降った雨水を地中に浸透させる舗装方法をいいます。地下水の涵養や集中豪雨等による都市型洪水を防止する効果があるため、主に、都市部の歩道に利用されることが多いです。 |
透明度 | 透明度板(セッキー円板)と呼ばれる直径30cm の白色円板を水中に沈め、水面から見えなくなるまでの深さをm で表したもので、高ければ高いほど水が澄んでいることを示します。主に湖沼、海洋などの水深の大きい水域で測定されます。 |
特定外来生物 | 外来生物うち、人の生命・身体や生態系、農林水産業などに被害を与える侵略的な外来生物をいいます。 特定外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)によって、飼育や栽培、保管、運搬、輸入することを厳しく規制しており、違反者には最大で1 億円の罰金が科せられます。 |
トリハロメタン生成能 | トリハロメタンは、水道水に含まれる有機物質と、消毒に使用される塩素が反応を起こすことにより生成され、発ガンの恐れや、腎臓、肝臓障害や中枢機能低下を引き起こす物質だといわれています。トリハロメタン生成能とは、一定の条件化でその水が持つトリハロメタンの潜在的な生成量をいい、具体的には一定のpH(7 ± 0.2)及び温度(摂氏20 度)において、水に塩素を添加して一定時間(24 時間)経過した場合に生成されるトリハロメタンの量で表されます。 |
内水氾濫 | 河川の水位が上昇した時に、支川や水路の水が河川へ排水できず氾濫することをいいます。 |
75%値 | 全データを小さい方から並べた時の、(データ数× 0.75)番目の値をいいます。BOD(COD)の水質測定結果の評価方法の一つで、水質環境基準の適否の判定等に利用されます。 |
2-MIB、ジェオスミン | 湖沼等で富栄養化現象に伴い発生するある種の植物プランクトン(藍藻類)や特定の微生物により産生される異臭物質です。ごく微量含まれているだけでもカビや墨汁のような特有な臭気をつけることから、水道の水質基準として設定されています。 |
農業集落排水処理施設 | 農林水産省の補助事業により農村地域に整備される生活排水を処理する施設のことをいいます。 |
農業用水 | 水田かんがい用水、畑地かんがい用水、畜産用水に使われている水の総称です。水田かんがい用水が大部分を占めています。 |
排水機場 | 支川水位より本川水位の方が高い場合に、洪水を逆流させずに、強制的に水位の高い本川に排水する施設のことをいいます。ポンプ施設と水の逆流を防ぐ水門等の設備からなります。 |
ビオトープ | ギリシャ語で、「生命」を意味する「bio」と「場所」を意味する「topos」を語源として組み合わせたドイツ語の言葉「Biotop」です。 本来その地域にすむ様々な野生生物が生息できる空間であり、その状態を保持し、管理される場所のことをいいます。 |
非かんがい期 | 農地に外部から人工的に水を供給しない期間をいいます。 |
フィードバック | 実行したその結果を、計画段階に戻して反映(調整、改善、修正)し、結果を調整することです。 |
普及指導員 | 農業者に接して、農業技術の指導を行ったり、経営相談に応じたり、農業に関する情報を提供し、農業技術や経営を向上するための支援を専門とする、国家資格をもった都道府県の職員です。 |
浮葉植物 | 沼底に根をはり、葉が水面に浮く植物のことをいいます。 干拓前の印旛沼では、ガガブタ、トチカガミ等9 種が確認されていましたが、現在では種数・生育域ともに減少しています。 |
放水路 | 治水対策として河川の途中から分岐する新しい川を掘り、海や他の河川などに放流する人工水路のことをいいます。分水路とも呼ばれることもあります。 |
法定計画 | 法律に基づいて定められた計画であり、拘束力を持ちます。行政への義務付けや、地権者の私権を一部制限することがあります。 |
マスタープラン(基本計画) | 事業全体の基本となる将来構想のことで、その実現のための各種計画・事業の整合をはかる総合的な指針としての役割を果たします。 |
面源負荷 | 汚濁の排出点を特定できない汚濁発生源のことをいいます。印旛沼・手賀沼の湖沼水質保全計画の場合,面源負荷としては,山林,畑地,水田,市街地等から排出される負荷,湖面への降雨による負荷を考慮しています。 |
モク採り | 水草のうち水中にある植物(沈水植物)のことをモクといい、かつての印旛沼では、モクを採って肥料にしていました。モク採りは、肥料としての利用以上に、湖の生態系を管理する役割も果たしていました。 |
谷津・谷津田 | 標高30 ~ 40m の平坦な下総台地に樹枝状に入り込んだ、幅の狭い浸食谷のことをいいます。 湿地となった谷津の低地を利用した水田のことを谷津田といいます。 |
流域 | 雨水がひとつの川に集まってくる範囲をさします。山の稜線(尾根)が流域界となります。道路・交通が発達する以前は、流域単位で生活・文化が発達してきました。 |
流量 | 河川を流れる水量のこと、または、その水量の単位のことをいいます。 |
Y.P. | 江戸川の河口の平均潮位を基準(Y.P.0m)とした高さのことをいいます。東京湾の平均潮位(T.P.)より約84cm 低くなります。 |
ワンド | 河川や湖沼にある入り江のことをいいます。流れが緩やかなため、様々な生物の良好な生息場になっています。 |
ウェットランド | 日本語では一般的に「湿地」と訳されます。ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)では、「天然か人工か、永続的か一時的か、滞水か流水か、淡水、汽水、かん水かを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地または水域をいい、低潮時の水深が6mを超えない海域を含む」と定義していて、幅広い環境が含まれます。また、自然に近い状態で水質浄化を行う施設のことを指すこともあります。 |