印旛沼流域では、高度経済成長に伴い市街地が増えてきています。そのため、雨水が地下にしみ込みにくくなり、貴重な水源である「湧水」が減少しています。また、降雨が、市街地にたまった汚れ(水質汚濁の原因)を河川や沼へ運ぶため、水質汚濁の原因の1つになっています。
これらの問題を解決するため、浸透WGが中心となり、次のような取り組みを実施しています。
(1) 雨水浸透対策の普及
(2) 調整池改良による汚濁負荷削減対策の普及
(3) みためし浸透系(加賀市水湧水復活)のフォローアップ
また、雨水浸透施設や雨水貯留施設の設置を推進するための「印旛沼ルール」や雨水調整池を活用して負荷を削減するための方法をまとめた「調整池改良の手引き(案) 」を作成しています。
取り組み(1):雨水浸透対策の普及
みためし行動での検討から、市街地・住宅地において雨水浸透マスなどを利用して雨水を地下に浸透させると、湧水量の増加や降雨時の負荷流出低減効果があることを確認しました。
今後は、この対策を印旛沼流域に広く展開していくため、住民や企業も含め、関係者全員で取り組みを行っていくことが必要です。
なお、雨水浸透マスの普及のため、印旛沼ルールをつくりました。→くわしくはコチラ→→→クリック
浸透対策による効果
取り組み(2):調整池改良による汚濁負荷削減対策の普及
降雨時に市街地で発生する負荷量を削減する対策の1つとして、住宅団地や市街地の流末に放置されている調整池を改良することによる手法を検討してきています。
みためし行動での検討から、調整池の底部に障害物(カゴマット等)を置き、雨によって流れてきた流出水の滞留時間を長くすることにより、流出水に混ざっている汚れや土砂を調整池内に留めやすくすることで、河川への汚れの流出を軽減できることが分かりました。
印旛沼流域内に広く展開していくために、調整池の大きさや形状等に合わせた効果的な改良方法を整理し、「市街地面源負荷削減のための雨水調整池改良の手引き(案)」としてまとめました。
市街地面源負荷削減のための雨水調整池改良の手引き(案)はコチラ→→→クリック
調整池改良の様子
取り組み(3):みためし浸透系(加賀清水)のフォローアップ
みためし行動では、佐倉市の“加賀清水”という湧水池をモデル地域に選定し、雨水浸透マス設置等による対策の効果を確認しました。2010年度はそのフォローアップとして、地元住民の方々と一緒に湧出口の改良作業を行いました。
これらの取り組みを通じて、地元に住民の中に加賀清水湧水を保全する意識が芽生え、自発的な活動も始まってきています。
地元住民の方と一緒に作成した堰