市民意見交換会

第1回

開催概要

●日時:2015年6月3日(水)18:00~21:00

場所:ミレニアムセンター佐倉 3F 第2会議室

参加人数:19名

主な議題:印旛沼流域水循環健全化計画に関する意見交換

●主催者:印旛沼流域圏交流会

意見交換の結果(概要)

●プログラム

印旛沼の現状と課題、健全化会議及びその内容について健全化会議事務局から説明

●主な意見

<水質に関すること>

  • 印旛沼の水質が悪くても、お金をかければ水道水として飲めるし、困っている人はいないのかもしれない。だから印旛沼について無関心であり、水質はよくならない。水質浄化が後回しになっているからではないのだろうか。
  • 印旛沼の水質ワースト 1 は、印象が余り良くないのではないか。水質ワースト1を強調しすぎているのではないか。いつになったらワースト1ではなくなるのか。
  • (健全化会議事務局)水質改善には時間がかかると思われます。また、印旛沼でどこまでの水質を求めるべきかという社会のニーズを踏まえて、目標設定することも重要と考えています。
  • 印旛沼の水質は、本当に COD5mg/L まで下げる必要があるのか。

 

<流域からの汚濁負荷削減に関すること>

  • 面源系の削減が重要である。汚濁物質の流入は鹿島川・高崎川による影響が大きいのではないか。どのような取組を行っているのか。

・(健全化会議事務局)面源系汚濁負荷の発生源には、市街地と農地があり、市街地系は雨水浸透枡の普及や調整池の改良に取り組んでいます。また、市町の枡設置の補助金の活用を考えています。

  • 現在、市が実施している歩道の透水性舗装は 3 年で目が詰まる。アメリカでは樹脂製の物質で舗装整備する方法などが用いられており、これは目詰まりしない。このような方法も考えるべき。
  • 雨水浸透マスの取組は、負荷削減というよりも水量回復の意味合いが強い。舗装の方法を考えることもよいが、市街地からの負荷を大きく削減するならば、車に乗らない活動をすることも重要である。面源負荷は目に見えないため分かりにくく、車の排気ガス等が印旛沼の汚濁要因になっていることを市民は知らない。これらをしっかりと情報発信することが大事である。
  • 自動車に乗らないという活動は、交通の便が悪い地方では実際には難しい。
  • (窒素分を減らすための)冬期湛水を実施している所はあるのか。
  • 冬期湛水による水質改善効果は確認された。しかしながら、昔の湿田になってしまうのではないかと心配する人がいる。水の確保が難しくコスト(電気代)もかかる。農業従事者だけでなく、水利権等で様々な関係者が関わっており、単に水質が良くなるから実施して欲しいと言っても実施してもらえず難しい所がある。また、冬期湛水は、特に窒素の削減に効果があるが、印旛沼周辺の水田は、割りと湿潤で、乾田でもある程度窒素の除去効果は確認されており、それほど積極的に展開はしていない状況である。みためし行動では、水質だけでなく、生き物も増えるのではないかということを目指して行動した。その結果、生き物も非常に多く戻ってきた。通常の田んぼと見かけは変わらないが、明らかに冬期湛水の水田に多くの鳥が飛来してきていた。コウノトリの再生を目指すのならば、非常に効果的な手法であると言える。第 2 期計画では冬期湛水に焦点をしぼって、議論することも考えられる。ただし、行政からどこを冬期湛水にするかというのを示しても成功はしない。農家の方にもメリットがあり、自発的に冬期湛水を実施する仕組みになることを夢見ている。
  • 幼稚園児や小学生などに環境学習を行うことについて、印旛沼に対する意識付けを幼い頃から実施することが重要であるという点と、子供から親に伝わることを期待している。時間はかかるが、中学生などが一緒に活動を実施するなど広がりを見せている。

 

<沼内での直接浄化に関すること>

  • 湖岸改良工(浚渫土を活用して湖岸に緩傾斜形状を再生する工法)の整備について、利水容量に問題はないか、また、お金がかかりそうだが、本当にできるのか。今後の展開を教えてほしい。
  • (健全化会議事務局)まず、利水容量に問題はありません。また、現在具体化に向けた検討を行っているところです。
  • 湖岸改良工が全周整備されれば、植生も多く繁茂し、とてもよいと思う。
  • 湖岸全周の工事はできないので、どこに施したら効果的かシミュレーションをしている。

 

<印旛沼への社会の関心に関すること>

  • 昔から八千代市に住んでいる住民は、昔は印旛沼のために洪水が頻発していたので、印旛沼のことを意識せざるを得なかった。しかしながら、最近は洪水が減ってきたので、印旛沼が身近に感じられなくなった。新しい住民は印旛沼のことをほとんど知らないのではないか。
  • 住民の方と実際に川を見ながら、話をすると、印旛沼へ流れていることを実感してもらえる。
  • 水質等の数値で印旛沼をアピールするのではなく、楽しいことをアピールして人を集めてほしい。

 

<印旛沼の利活用に関すること>

  • 佐倉ふるさと広場付近の拠点整備の見通しを教えてもらいたい。
  • (健全化会議事務局)市と調整しながら今年度から着手しています。
  • 市の部局と今後十分連携を図ってほしい。
  • サイクリングロードも休憩場所やトイレがなく困っている。
  • 印旛沼に人を呼ぶために、フィッシングパーク(桟橋)を作ることはできないか。下関や市原の海で事例がある。

 

<体制づくり・関係者の連携に関すること>

  • 県中央博物館とはどのような連携をとっているのか。
  • (健全化会議事務局)沼内で再生した水草の一部を中央博物館でも保存するような連携をとっています。
  • 市民はみんな地域に貢献したいと思っている。その思いをいかに巻き込んでいくのかが、重要である。地域住民と印旛沼の再生の目標を共有して実施していくことが重要ではないか。行政が実施していることを市民が知らないということは、問題があると思う。市民の投資的な行動を促すために、共通の目標を建てることが重要である。
  • 商店街で買い物をするとポイントが貯まるなど、自分たちの行動が町を活性化するといった、「行動」による投資を示す。
  • 子どもに伝えるためにも、先生に知ってもらうことも重要である。子どもを教える立場の先生が、ほとんど印旛沼を知らない事実がある。NPO だけでは限界があるので、学校関係者と市民団体の橋渡しを行政にお願いしたい。

 

<今後の意見交換会について>

  • 今後は、このような会議を、さまざまな地域でそれぞれ展開していくようにしたい。
  • ぜひ、みなさんの地元で、皆さんの団体が主催して、意見交換会を開催していただきたい。