生活排水を減らす取り組みには、下水道の整備や、合併処理浄化槽(窒素やリンが処理できる高度処理型)の設置などがあります。徐々にそれらの整備が進み、昭和60年度と平成20年度を比べると「生活」排水による排出汚濁負荷量は減少していますが、特に全リンはいまだに3割以上を占めており、印旛沼の水質悪化の原因の1つとなっています。生活排水を減らす取り組みは、まだまだ重要な位置づけにあります。
※印旛沼流域では、下水道に接続している家庭の生活排水は、下水道管により花見川区にある終末下水処理場に運ばれ、その処理水は東京湾に放流されるため、印旛沼には流入しません。

図 印旛沼流域における発生要因別の年間排出汚濁負荷量の変化出典:千葉県水質保全課データ
具体的な生活排水対策の実践による住民・行政の意識啓発と水質改善
生活排水を減らす取り組みをより強力に進めるためには、家庭での一人ひとりが生活排水を減らす取り組みとともに、市町村や千葉県が進める下水道整備等とも一体となって取り組みを進めていくことが重要です。
そこで、【ミッション1】住民と行政がどのような連携、取り組みができるのか、生活排水対策の方法を検討・モデル地域で実践しました。
さらに、【ミッション2】行政として、生活排水を減らすために、どのように取り組みを推進するのかの検討も行いました。
まだ下水道が整備されていない、佐倉市内の小規模住宅団地(全34戸、参加は27戸)
より大きな地図で みためし行動 生活系 を表示
平成16年度から約1年半の間、行政から団地住民の皆さんに生活排水対策グッズの配布、みためし行動実行日記の配布を行い、住民の皆さんが対策の実施、実行日記への記入、そしてそれを集計・評価し、住民の皆さんへフィードバックして、次の実行へ活かす、として進めました。
さらに、行動後の平成18・19年度とフォローアップアンケートを行い、行動後の住民の皆様の意識の変化を調べました。

※「みためし行動実行日記」をダウンロードして、チャレンジしてみましょう。 →→→ クリック
A) 団地内の多くの世帯で、生活習慣の改善が見られました
住民のみなさまには、平成16年から約3年間、みためし行動実行日記をチェックしていただきました。
3年間のとりくみを通じて、生活習慣が大きく変化しました。

B) 団地排水の水質がきれいになりました
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生活排水対策が水質に与える効果を調べるため、団地排水の水質調査を行いました。 調査結果はあくまでも目安ですが、SS(水の濁りの程度)、COD(汚れを示す化学的指標)、リン(米のとぎ汁などに多く含まれる)の濃度に改善が見られました。 なお、窒素は、浄化槽で処理されている「し尿」の影響が大きいためか、あまり効果はありませんでした。 |
C) 住民による湧水保全活動が始まりました
みためし行動を通じて、住民の環境に対する意識がさらに高まり、団地の下にある湧水の保全活動が始まりました。

※保全活動の様子が、テレビで取り上げられました。その様子は“コチラ”から。
D) 行政と住民が一体となった生活排水対策、啓蒙活動を行っていく手法を得ることができました
印旛沼流域では、これまで主に下水道整備を行うことで生活系負荷の削減は進んできましたが、下水道整備がある程度進んだ現状では、今後も下水道整備だけでは十分な生活排水の削減とはなりません。
今後は、下水道整備・接続に加え、下水道整備区域外での生活系負荷削減対策を実施することが必要不可欠です。モデル地域の小規模団地での取り組み成果を広げていくことはもちろん、特に生活排水からのリン負荷の削減を進めていく必要があります。
そこで、例えば次のような内容について協議し、特に行政が中心となって生活系汚濁負荷削減(特にリン)のための具体的な対策を見出していく必要があります。
・下水道の確実な接続、そのための指導方法、あるいは支援
・高度処理型合併処理浄化槽の普及
・簡易な改良による通常型浄化槽のリン除去能力向上の研究